エンゲージリングの知識、材質やデザインの選び方

エンゲージリング(婚約指輪)とは、婚約した証として男性から女性に贈る指輪のこと。
その風習は、古代ローマ時代に「永遠」の象徴として繋ぎ目のない鉄の輪(リング)を贈ったことに由来します。
エンゲージリングにダイヤモンドが使われるようになったのは、ダイヤモンドの研磨技術が成功してからで、今から500年以上も前の15世紀中ごろのこと。
当時のオーストリアのマクシミリアン大公(のちのマクシミリアン一世)が、婚約者のブルゴーニュ公女マリーに贈ったのが始まりです。
それ以来、ダイヤモンド付きのエンゲージリングを贈ることがヨーロッパの王侯貴族たちの習慣になり、やがて長い時を経て一般の人たちにも広まって行きました。
現在でもエンゲージリングは男性が最愛の女性に伝える「愛の証」であり、また、女性にとってそれを贈られることは、彼の愛を受け入れる決意と共に新しい人生を踏み出す高揚感を実感する、幸福に満ちた瞬間。
エンゲージリングを贈るということは、単なる習慣ではなく精神的な効果をも生む神聖な儀式なのです。

エンゲージリングは、なぜダイヤモンドなの?

研磨しにくい硬質さから「不屈の力」を持つとされるダイヤモンドは「永遠に変わらない愛情」を象徴し、あらゆる困難から守る「お守り」の役目も。
また、その無色透明な輝きから「純真無垢な心」も表しています。
そんなダイヤモンドに結婚を誓い、ふたりの絆を深め導いてほしいとの願いを込めて、エンゲージリングに広く使われるようになりました。
「アニバーサリージュエリー」として人生の節目ごとにジュエリーを贈る習慣があるヨーロッパにおいても、婚約時のそれは特別なもの。
だから、恋人である男性からいちばん初めにプレゼントされる「アニバーサリージュエリー」=エンゲージリングは、その永遠の輝きと美しさが彼の「愛の深さと誠実さ」を示すダイヤモンドがふさわしいとされています。

エンゲージリングを、左手の薬指につける理由

エンゲージリングやマリッジリングを左手の薬指につける理由は諸説ありますが、薬指の血管が心臓に直結していると考えられたため、愛の象徴であるリングが「心」と「心臓」、つまりHEARTと密接に繋がるから。というのが有力な説です。
このエンゲージリングは、結婚式当日は右手の薬指につけかえておき、新郎につけてもらった左手薬指のマリッジリングの上にさらに重ねることになります。
花嫁の左手薬指に輝くダイヤモンドは、見るたびに誇らしく心を満たし、それからずっと人生に寄り添うかけがえのない存在になっていくのです。

リングの地金素材は、何を選ぶべきか?

エンゲージリングの素材はプラチナが一番人気です。
欧米ではゴールドが主流ですが日本ではプラチナの精緻な光がエンゲージリングの素材として定着しました。
変色や変質もほとんどなく耐久性にも優れているため、プラチナがもつ純粋性と希少性だけでなく、美しさを維持できるという「不変性」が「永遠」を意味するということもあり、日本の女性が好む理由のひとつになっています。
プラチナは、南アフリカ、ロシア等で産出されますが、1トンの原鉱石に3グラム程度しか含有されません。
プラチナはとても重い金属で、比重が21.4もあります。
元々硬い金属かと思うと実際にはとてもやわらかい金属で、そのため5〜10%パラジウム、コバルト、ルテニウム等の金属を加え適度な硬さに加工して使われます。
最も一般的な「プラチナ900」は、90%のプラチナを含む合金です。
ほかに、ゴールドを75%含む合金「K18ホワイトゴールド」「K18イエローゴールド」「K18ピンクゴールド」があります。
もちろん、予算に合わせた選択をお勧めしますが、プラチナの心地良いずっしり感は捨てがたいものです。

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